離職は、穴埋め人材の採用費などの金銭面だけでなく、教育の手間、お客様の印象、他スタッフの負担増など、大きなコストになります。
言い換えれば、離職を防ぐことは、かなり効果的なコストカットになります。
退職理由は “労働時間、休日等の労働条件が悪かった” がトップ
厚生労働省が、なかなか面白いデータを発表しています。-令和4年雇用動向調査結果の概況-です。
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/koyou/doukou/23-2/dl/gaikyou.pdf
13枚目をご覧ください。
令和4年の国内の離職率は15%(全産業)。
つまり、正月に100人いた会社が、大晦日までに15人辞めた、ということなら平均的、というわけです(純減ではなく、単純に辞めた人カウントです)。
業種別にみると、宿泊業・飲食サービス業が圧倒的に高い26.8%でトップ。まあこれはイメージどおりですよね。
動物病院が分類されている「学術研究、専門・技術サービス業」は、10%です。
しかし、これは法律事務所や経営コンサルタント等、結構幅のあるカテゴリーでの数値です。
個人医院の動物病院に限定したら、もう少し高いかな、というのは私の印象です。
15枚目に退職理由のデータも記載されています。
男女ともに、「労働時間、休日等の労働条件が悪かった」「職場の人間関係が好ましくなかった」が、高く、その次に給与面での理由が入ります。
採用コストは予測が困難、かつ、大きい
動物病院の主なコストは、薬品代、設備費用、家賃、人件費です。
このうち薬品代、設備費用、家賃は、予算の見通しがたちますが、人件費は予想外の支出がしばしば起こり、経営者を悩ませます。
ここで言う人件費には、給与、賞与、社会保険料に加えて、採用コストも含むとお考えください。
また、採用にかかる費用は、近年大きく膨らんでいます。
必要以上の採用コストを削減するには、当たり前ですが、離職を減らすことです。
※売上の伸びに応じた、先んじた採用のためのコストは、ケチらない方が良いと思います。
離職率の低い動物病院の意外な共通点
まず、意外じゃない共通点は下記のとおりです。
- 週休二日
- 良好な人間関係
- 成長出来る環境(適度な量と難易度の仕事が与えられる)
- 福利厚生制度の充実(社会保険加入は必須。これに加えて退職金制度等)
そんなことは分かってるよ!といった内容ですよね。
しかし、やはりこの当たり前が一番です。
良好な人間関係、成長できる環境は、まさに言うが易し行うが難しですが、常に諦めずに、または、油断せずに、意識したいところです。
福利厚生制度については、最近は企業型確定拠出年金や育み基金を導入する医院も増えてきています。
こういった制度については、また、近々当ホームページのコラムかブログでご紹介差し上げます。
意外な共通点の方は、ちょっと言いにくいのですが、「院長先生のスタッフへの期待の低さ」です(笑)。
“スタッフなんて出来なくて当たり前”
そういう趣旨のことをおっしゃる院長先生の医院は、実際、離職率は低いです、現実問題。
もちろん、スタッフさんにそう思っていることを悟られない方がよろしいでしょうね(笑)。
あと、動物病院だからといって、どんなに忙しくても猫の手は借りないようにしてください(笑)。もちろん、例え話です。
いつか、採用についても書きます、
では、皆様、スタッフ連中に頭を悩ませつつ、今日も頑張りましょう!
投稿者プロフィール
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税理士
税理士法人YFPクレア渋谷オフィス オフィス長
1979年埼玉県生まれ。
獨協大学 法学部卒
2008年株式会社YFP総合会計入社(2009年税理士法人YFPクレアへ転籍)
入社以来、多くのスタートアップ企業の創業に携る。
得意分野は金融機関対策、事業計画、事業承継。
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