開業を決めましたら、早めに税理士に相談しましょう。
出来れば私に(笑)、私でなくても動物病院の開業が得意な税理士に連絡してしまうことです。

これから何をしたら良いのか、迷っていること、分からないことの相談をしましょう。
それだけでなく、自分では気付けない注意点や決めておいた方が良いことのアドバイスがもらえます。
ここ数年で、開業のためのコストは大幅にあがっています。
金融機関からの多額の借入は必須ですが、しっかりとした準備とスケジューリングで臨めば、余計な不安は不要です。

【開業前スケジュール】

①現状で用意出来る資金を把握する
・開業のためにご自分で用意出来る資金
・開業のためにご親族から援助してもらえる資金
これらを把握しましょう。

ここ数年の動物病院の開業資金は、おおよそ4,000~5,500万円です。
理想はこの1/3、
少なくとも1/10は、ご自身で用意出来るとスムーズです。
残りを金融機関で借ります。

②物件を決める
動物病院をオープンする場所を決めます。
物件取得費(保証料、仲介手数料)のお見積を取ります。

動物病院はやはり場所に根付いたビジネスですので、物件選びはかなり重要です。
私は、物件の目利きではないので、よろしければ、専門コンサルタントをご紹介します。

③内外装、看板、医療機器のお見積書を入手
医療機器については、融資を受けての購入か、リースか、判断することになります。

④金融機関へのお申し込み(創業計画書の作成)
遅くてもこの時点では、融資の得意な税理士さんに相談するのがよろしいかと思います。
上記②、③のお見積に基づいて創業計画書を作成します。

融資のお申し込み先は、日本政策金融公庫と、民間金融機関(地方銀行か信用金庫)です。
各々の雛形で創業計画書を作成します。
形式こそ異なりますが、内容はほとんど同じです。

民間金融機関の金融機関からの借入は、地方自治体の融資制度を利用します。
詳しくは、税理士さんにでもお聞きください。
税理士さんが決まっていない人は、私に連絡ください。

⑤金融機関と面談
上記④から1週間内には連絡があり、面談の日程が決まります。
緊張する必要はありません。
動物病院さんは、金融機関にとっても良い顧客です。優秀ば銀行マンであればあるほど、将来の優良顧客である獣医師先生を丁重に迎えるはずです。
具体的な注意点は、ここでは触れませんが、創業計画書で記載した内容と矛盾のないお話をするようお願いします。

⑥融資の可否の決定
上記⑤から1週間程度です。
結果が思わしくなくなかった場合、別の手を考えましょう。

⑦医院工事着工、機器発注納入
完成後、いよいよ開業です!

→開業後のスケジュールはまた後日。

【親御さんからの支援は、もらうのではなく、“借入金”とする】

親御さんからの援助をもらう先生も多くいらっしゃいます。
これ、もらっちゃうと“贈与税”がかかります。

なので、きっちり金銭消費貸借契約書を作成し、返済予定表を組みましょう。
また、一部、贈与税の非課税枠を使って、一部は返済を免除することも可能です。

【収入は2年程度下がる前提で生活設計をたてる】

勤務医から院長先生へジョブチェンジすると、収入は格段に上がるケースがほとんどです。
しかし、それは数年後以降のお話。

ほんの一部の例外を除き、開業2年間くらいは、収入は下がります。
これを想定して、創業計画は組みましょう。
このために、現状の生活費を把握することは必ず行ってください。

【万一が起こったときのリスクの種類・度合いはガラッと変わる】

いま、勤務先で社会保険に加入している先生。
個人業主になると、万一が起きたときの保障は大きく代わります。
先生が亡くなった場合だけでなく、重い疾病や事故で働けなくなったときのことを想定しましょう。

傷病手当等、日本の会社員の保障は、案外かなり手厚くされています。
これが、個人事業主になることで、外れてしまいます。

また、数千万円の借入が発生し、スタッフも雇用するとなると、社会的な責任は段違いに大きくなります。
現在加入している生命保険、医療保険、一旦整理し、過不足を認識、見直しをかけましょう。

夢と熱意のある獣医師先生を応援しています!

動物病院の開業は、考えないといけないことがたくさんあります。
しっかりとした準備をしましょう。
私もお手伝いさせてくださいませ~

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投稿者プロフィール

佐藤
佐藤
税理士 
税理士法人YFPクレア渋谷オフィス オフィス長

1979年埼玉県生まれ。
獨協大学 法学部卒
2008年株式会社YFP総合会計入社(2009年税理士法人YFPクレアへ転籍)
入社以来、多くのスタートアップ企業の創業に携る。
得意分野は金融機関対策、事業計画、事業承継。