こんにちは、監査部佐藤です。
以前から、複数回にわたって創業前に確認すべきこと、知っておくべきことについてお話してきました。
いよいよ最後のポイント、「⑹いくら稼げばあなたの医院は継続するのか」のお話の後編になります。
先生ご自身が会計の専門性を保つ必要はない
医院の経営がスタートすると、毎月一回か少なくとも数ヶ月に一回、“試算表”を作成し、税理士事務所の担当者とお打合せをするのが一般的です。
試算表というのは、医院の「ある時点の財務状態(資産がいくらで、負債がいくらある)」と「ある期間の経営成績(売上がいくらでコストがいくらで、利益がいくら)」を集計したものです。
さて、この試算表というのは会計や税務のルールにしたがって作られますので、一般的な“儲かっている、儲かってない”という感覚と結構ズレがあります。
例えば、試算表のなかで資産の項目に記載される医院の内外装設備や医療機械の金額は、売却した場合の金額(時価)などではなく、
“税務や会計のルールによって、まだ必要経費にしていない残額=これから経費にできる金額”
です。
これは一般的な意味での資産とは全然意味が違いますよね。
こういった要素がいくつかありますので、試算表だけで先生ご自身が経営の安全性等を知るのは困難です。
もちろん、試算表や決算書を先生と自身が読み取れるなら、これに越したことはありません。
しかしこれは簡単なことでなく、また、勉強し続ける必要もあります。誰でも“思考のクセ”のようなものがあり、税務会計の基本的な考え方がどうにもご自身の肌に合わない先生も多くいます。
これは、よく言う頭の良し悪しというのとは全く別の話です。
おそらく、ほとんどの先生が税務会計の考え方は苦手であると思います。
なので、この点は税理士事務所の担当者の力を借りてください。これは税理士法人としての営業トークでもなんでもありません。
この分野は、専門家を頼るほうがずっとコストパフォーマンスが良いはずです。
動物病院経営は、当初の1年目は資金の悩み、2年目以降は人材の悩み
いくら稼げばあなたの医院は継続するのか、というテーマでお話させていただきました。
しかしながら、動物病院経営は数字で現れる経営面において、安全性はかなり高いビジネスです。
少なくとも私がお付き合いさせていただいている医院については、資金繰りに詰まっている医院はありません。
創業年度や2年目くらいまでは多少不安がありますが、3年目以降は安定します。
動物病院経営の悩みは、お金よりも、人材です。
これはまた次回お話します。
次回は
スタッフ問題 ~最も経営者・スタッフ間にギャップのある業種かもしれない~
についてお話します。
話してほしいテーマ、個別の相談があればお気軽にお問い合わせ下さい。
次回もお楽しみにお待ちください。
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投稿者プロフィール
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税理士
税理士法人YFPクレア渋谷オフィス オフィス長
1979年埼玉県生まれ。
獨協大学 法学部卒
2008年株式会社YFP総合会計入社(2009年税理士法人YFPクレアへ転籍)
入社以来、多くのスタートアップ企業の創業に携る。
得意分野は金融機関対策、事業計画、事業承継。
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