【税理士に聞いたってしゃーない】

税理士という仕事をしていると
「いま、どんな業種が儲かってるの?」
とよく聞かれます。

聞かれたら、一応それっぽいことを言うんですけども…。
税理士が持っている“生の情報”は、とても局地的、個別的、限定的であり、正直言ってこの質問を私達に投げるのは、あまり意味がないと思っています。

じゃあ、どうしたら良いのかと言うと、これはシンプルに、新聞とテレビの経済ニュースを見るのが良いです。
ただし、その見方には、少し注意が必要です。

前回、
“「倒産」は事実であり、感想や解釈ではありません”
と書きました。また、
“「いま、この業種が活況だ」
「この会社が斬新ですごい」
といった類の記事や特集は、どうしても主観や恣意性が入りやすく、事実を掴むのが案外難しい。”
とも書きました。

読んでくださった方から、この辺が良くわからないとのお声をいただきましたので、今回はその話をします。

簡単に言うと、倒産や不況と違い、好況の方の情報は、非常に実態が掴みにくいのです。
例えば、『ガイアの夜明け』のような番組で取り上げられた、時代の先端をいく新鋭企業。
視聴者には、新しい時代の成功者のイメージが残ります。
が、その後、その会社がどうなったのか。 
ほとんど知る機会がないように思います。

同じ『ガイアの夜明け』で、後日、
「華々しくご紹介しましたが、結局、ダメでした。あの後、すぐ、ポシャッちゃいました~wwww」
なんて、教えてくれません(教えてくれたら面白いのに)。

『TSR速報』の倒産情報を欠かさず見ていると、「あれ??あの会社が?!!」なんてことが、結構あります。
あの調子の良かった会社がどうして…。
いや、「調子が良かった」と、思って(思わされて)いただけで、実は、外見のイメージと内情は、全然違ったのかも知れません。
よくあることです。

倒産情報をチェックする意味は、大手メディアの意図するものとは、全く別角度で経済のありようが見えられる点にもあります。

【脚光を浴びていることと、成功していることは、全く別物】

脚光を浴びていることと、本当に成功していることは、全く別物です。

これから多額の資金を集めたい企業、優秀な人材を集めたい企業は、かなりのコストをかけ、工夫を凝らして「これからの時代を担う企業」のイメージを作ろうとするし、そのために広告費の予算も惜しみなく割くので、大手メディアはこれにしっかり付き合ってくれます。

かくして、『成功を目指す者』が『成功者』として演出されてしまうわけです。

それがよく分かることが先日ありました。
長くなったので、また次回 (゚ω゚)

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投稿者プロフィール

佐藤
佐藤
税理士 
税理士法人YFPクレア渋谷オフィス オフィス長

1979年埼玉県生まれ。
獨協大学 法学部卒
2008年株式会社YFP総合会計入社(2009年税理士法人YFPクレアへ転籍)
入社以来、多くのスタートアップ企業の創業に携る。
得意分野は金融機関対策、事業計画、事業承継。